Google Maps から営業リストを抽出する方法【2026年版】手作業/API/SaaS 比較
Google Maps から営業リストを抽出する 3 つの方法 (手作業コピペ / Places API 自前構築 / SaaS) を実コスト・速度・取得項目で比較。100件あたり手作業 8時間 ¥15,000 vs SaaS 3分 ¥400 の根拠と、規約違反にならない正しいやり方を解説。
「Google マップに業種で検索すれば、店舗情報がずらっと並ぶ。これをそのまま営業リストにできれば一気に効率化できるのに」— B2B 営業をやっている人なら必ず一度は考える発想です。実際、Google Maps は世界最大の業者データベースであり、住所・電話番号・営業時間・公式サイト・レビュー数まで網羅されています。
ただし、この情報を「営業リスト化」するには 3 つの選択肢があり、それぞれコスト・速度・規約面で大きく異なります。本記事では各手法を実数で比較し、2026 年時点でどの方法が最も投資対効果が高いかを明確にします。
Google Maps から営業リストを作る 3 手法
| 項目 | 手作業コピペ | Places API 自前構築 | SaaS (bacotto) |
|---|---|---|---|
| 100件にかかる時間 | 8時間 | 実装 2-5日 + 抽出 30分 | 3分 |
| 100件あたりコスト | ¥15,000 (時給1,200円換算) | ¥1,700 (API課金のみ) | ¥400 |
| 初期セットアップ | なし | Google Cloud 課金登録 + 実装 | メアド登録のみ |
| メール取得 | API は返さない | 公式サイトから自動取得 | |
| Instagram / LINE 取得 | |||
| 廃業フィルタ | |||
| 規約上のリスク | コピペは合法 (規模次第) | 完全に合法 | 完全に合法 |
| 向いてる人 | 10件以下の調査 | エンジニアがいて長期運用 | 営業担当者・経営者 |
1. 手作業コピペ — Google Maps をブラウザで開いて貼り付け
もっとも単純な方法です。Google Maps で「渋谷区 美容室」と検索 → 1 件ずつクリック → 店名・住所・電話番号・公式サイト URL を Excel に貼り付ける。誰でもできる代わりに、1 件あたり 3-5 分かかります。
- Pros: 初期費用ゼロ、特別なスキル不要、ブラウザだけで完結
- Cons: 1 件 5 分 = 100 件で 8 時間、500 件は丸 5 日。Instagram・LINE 公式は別途調べる必要あり
- 向いてる人: 10 件未満のスポットリサーチ、競合 1 社の調査などの小規模ケース
2. Google Places API で自前構築 — エンジニアがいる場合の選択肢
Google が公式に提供している有料 API です。「渋谷区 美容室」とクエリを投げると JSON で店舗一覧が返ってきます。規約準拠の正しいやり方ですが、いくつか落とし穴があります。
実コスト試算 (2026年5月時点の Places API 価格)
| 項目 | 単価 | 100件あたり | 1,000件あたり |
|---|---|---|---|
| Text Search (Pro tier) | $0.032/call | $0.16 (¥24) | $1.60 (¥240) |
| Place Details (Pro tier) | $0.017/call | $1.70 (¥255) | $17 (¥2,550) |
| Photos (取得する場合) | $0.007/call | $0.70 (¥105) | $7 (¥1,050) |
| 小計 (Photos 抜き) | — | 約 ¥280 | 約 ¥2,800 |
Places API では取れないもの
- メールアドレス: 一切返さない (公式サイトに自前でアクセスして HTML を解析する必要)
- Instagram ID / LINE 公式: そもそも Google Maps が保持していない
- 実営業中フラグ: business_status は "OPERATIONAL" のみで「広告中だが実質廃業」は判別不可
- レビュー本文: rating と user_ratings_total は取れるが、レビュー文面で「閉店しました」を検出する処理は別途必要
3. SaaS (bacotto) — Places API + 公式サイトクロール + 規約準拠の構成済みパイプライン
Google Places API + 取得した公式サイトを規約準拠でクロール + Instagram / LINE 公式リンクを HTML から抽出 + 廃業判定、を全部組み合わせて 1 つの SaaS にしたのが bacotto です。手作業より早く、自前構築より安く、しかも取得項目が多いという「逆ピラミッド」の解になっています。
実例: 「渋谷区 美容室」を 3 手法で取った場合
件数が増えるほど差が広がります。手作業は線形に時間がかかり、API は実装後は自由に動かせますが Instagram などは結局取れません。SaaS は規模に依存せず常に分単位で取得できます。
規約・法律の観点 — 何をやったら違法/規約違反か
- OK: ブラウザで Google Maps を見て手作業でコピペ → 完全に合法 (個人利用の範疇)
- OK: Google Places API で取得 → 正規 API なので合法、ただしレートリミットと利用規約の表示義務あり
- OK: 取得した公式サイト URL に対して、robots.txt と利用規約に準拠した自前クロール → 合法
- NG: Puppeteer / Selenium で Google Maps を自動巡回 → 規約違反、IP ブロック・法的措置リスク
- NG: 取得した個人情報を本人同意なく転売 → 個人情報保護法違反 (営業リストは法人情報なので基本セーフだが、SNS の個人アカウント転売は NG)
どの手法を選ぶべきか
ボリュームと運用頻度で決まります。
- 1 回限り・10 件以下: 手作業で十分。30 分で終わります
- 1 回限り・100-1,000 件: SaaS で 1 回 ¥4,000-40,000 を払うのが最速。自前構築は時間コストが見合わない
- 継続的・毎月 100 件以上: SaaS のサブスクが最適。月額 ¥1,980 (Starter) から
- 継続的・毎月 5,000 件以上: 自前構築 + 専属エンジニアか、SaaS の Business プラン (¥29,800/月)
よくある質問
Q. Google Maps をスクレイピングするツールを売っている業者がいるけど大丈夫?
規約上は完全に NG です。利用者が法的責任を問われた前例は少ないものの、Google 側からアカウント (Google Workspace / Gmail / Drive 等) を BAN されると業務が止まります。Places API 経由の正規ツール (bacotto 含む) を使うのが安全です。
Q. Places API の Free Tier ($200/月) でやれば無料?
理論上は可能ですが、Text Search + Place Details で 100 件取ると $1.86 消費するため、約 1 万件で上限到達。さらに公式サイト → メール抽出の処理を自前実装するのに 2-5 日かかります。エンジニアが暇で趣味でやるなら可。事業としてやるなら時間給で計算した瞬間に SaaS が安くなります。
Q. 競合の店舗の電話番号を取って営業しても問題ない?
店舗の公開電話番号は法人情報の扱いで、特定商取引法・個人情報保護法の規制対象外です。ただし「特定電子メール法」「特定商取引法」に基づき、メール送信時のオプトアウト表記など別途の要件があります (関連: <a href="/blog/tokutei-denshi-mail-ho-eigyo-mail">特定電子メール法と営業メールの完全ガイド</a>)。
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